"Tomorrow's Antiques Today"
ピコーウェアのウェブサイトに書かれているキャッチコピーです。
ピコ―ウェアが誕生したのは1938年。
シンプル且つ木を使った温かみのあるデザインが特徴です。
今の我々の目からすると典型的なミッドセンチュリーのデザインで、
確かに、もう少し時間が経てばアンティークの仲間入りをするかもしれません。
このメーカー、元々は、掃除機を作っていました。
詳細は分からないのですが、「本体がアルミニウムの鋳物でできいる電気を使わない掃除機」
とのことですので、恐らくは、大きな容器の中を真空にしてゴミを吸い取る装置だったの
でしょう。会社の設立年は1932年で、当時としてはアルミを扱う先端の技術を持っており、
その技術を真空タンク製造に活かしての起業だったのだと思います。
そして、その技術を日用品に応用すべく、最初のケトルを世に出したのが1938年です。
アルミにマグネシウムを加えることで、銀のような輝きを持つ、しかも曇り
にくい製品を作りだしたまでは良かったのですが、残念ながら第二次世界大戦が
勃発してしまいます。当時のアルミニウムは貴重な軍需物資でしたから、当然ながら
戦時統制下に置かれてしまいます。
そして、戦争が終わった翌年の1946年から再生産が始まり、直ぐにヒット商品となりました。
1951年にはDesign Centreにも展示され、マーケティングの観点から商品名が、
それまでの"Newmaid"から、現在の"Picquotware"に変更されました。
このケトルのヒットを受け、その後、ティーポット、ジャグ、クリームポット、シュガーボウル、トレーが
製造されるようになります。元々は6人用のセットでしたが、後に4人用も作られるようになりました。
なお、競合他社も類似の製品を作り、ハンドルをプラスチックに変えていく中、
ピコ―ウェアは木製のハンドルに拘り続け、今ではこの木製ハンドルがピコ―ウェアの
特徴になっています。
なお、ピコ―ウェアの製造は既に中止されているようですが、在庫が取引されており、
また、研磨のサービスも続いているようです。
⇒
PicquotWareのウェブサイト(英語)