赤い2階建てロンドン・バス 「ルートマスター」
1956年から運行開始されたロンドン名物の「ルートマスターRoutemaster」という名の旧型ダブル・デッカー・バス(赤い二階建てバス)が2005年12月9日に姿を消しました。後部ステップの乗車口にドアがないため、いつでも自由にバスに飛び乗ることや飛び降りることができたので、とても便利だったのですが、その反面、とても危険でもあり、この後部ステップから落ちる転落事故、死亡事故などが多数あったそうです。また、車椅子での乗り降りもできませんでした。そのため、ロンドン市交通局はルートマスターを廃止し、新型の2階建てバスを導入する決定をしたのです。
現在は、観光客向けにロンドン中心部のヘリテイジ ルート(Heritage Route)と呼ばれる路線の9番と15番で、運行が続けられています。
私達も1980年代半ばから後半にかけて、ルートマスターの中でもらせん状の階段になっている旧型を数台、日本に輸入しました。一番初めに輸入した際には、制御装置がエア・ブレーキでしたので、扱い方に戸惑いました。また、日本の道路には英国と違い、信号やトンネルなどの高さ制限があるため、運転するたびに陸運局に走行ルートを提出して、特別運行許可を受けなければなりませんでした。
輸入後、港から目的地までの走行中、バスの2階に乗っていると、あらかじめ高さを確認して走行しているにもかかわらず、今にも周りの建物やトンネルなどにぶつかりそうで、とても怖い思いをしました。(2007/08/24掲載)